2022.03.04
素材のこと
今回はクロスについて書いてみます。
クロスとは「壁紙」のことで一般的にはビニルクロスを指します。
自然素材であるウッドチップ入り紙クロスもありますが今回はビニルクロスについて書きます。
ビニルクロスとはポリ塩化ビニル製の樹脂でできたシートです。
現在日本で建てられている住宅のほとんどがビニルクロスを使用しているといって過言ではないと思います。
ビニルクロスは単価が安く種類が豊富で新築時のコストパフォーマンスが高いのでといった利点があります。
種類も豊富で値段も安いからお客様にお勧めしたいのですが、きらくとしてはあまりおすすめしていません。
なぜならビニルクロスには様々な注意すべき点があるからです。
まず一点目が「調湿作用がない」ということ。
ビニルクロスには樹脂でできているので耐水性が高いのですが、その分表面に水分を吸収せず長い時間表面に水分をとどめてしまいます。従って結露と結露によるカビの発生の原因になってしまうこともしばしばです。
二点目が「寿命が短い」ということ
一般的に住宅は30年~50年程度は住み続けるものです。(中には100年以上住みつなぐ高耐久住宅もありますが)それに対してビニルクロスの寿命は5~10年程度です。新築してから解体するにいたるまで実に3~5回くらい張り替えるべき材料なんです。もちろん張り替えなくても生活はできますが、放っておくと裏面に貼りつけたのりが劣化して表面がパキパキになってしまったり、ヒビが入ったり、カビが生えたり、いろんな不具合が出てきます。あまり気持ちのいいものではないですよね。
三点目が「傷がついたら補修がきかない」ということ
ビニルクロスには様々な種類があり色や柄も本当に多数です。さらに数年ごとにラインナップが変わるので、一度傷や汚れをつけてしまうと、そこだけを直すということができない替えのきかない素材なんです。子どもが小さいうちはどうしても落書きしたり傷をつけてしまいますよね。
どうでしょうか?きらくがビニルクロスをおすすめしない理由をご理解いただければ幸いです。ビニルクロスが悪い材料というわけでは決してありません。最初にも述べたとおり安く種類が多いということは選択する理由としては十分にあると思います。しかし、きらくとしては何度もお客様の家に入り込んで、リフォームをしなければならなくなるような素材はおすすめをしていないのです。工務店は儲かるかもしれませんが、結果的にお客様の負担が増えてしまうためです。