2022.03.12

耐震等級の真実

構造のこと

耐震等級の真実

今回は構造について。最近新築を希望されるお客様のなかで「耐震等級」を気にされる方が増えてきています。
耐震等級と建物のバランスの関係について説明をしていきますので、
これから新築一戸建てで住宅を建てられる方や耐震リフォームをされる方は参考にして下さい。

まず、耐震等級とはそもそも何なのでしょうか?
※以下耐震等級の説明

耐震等級とは品確法で定められ以下の違いで等級1~3にわけられます。

等級1:数百年に一度発生する地震の地震力に対して倒壊、崩壊せず数十年に一度発生する地震の地震力に対して損傷しない(つまり建築基準法と同等です)
等級2:耐震等級1×1.25倍の地震に耐えることができる
等級3:耐震等級1×1.5倍の地震に耐えることができる
(まずここで注意するポイントは等級2だから2倍、等級3だから3倍ではないということですね。)

ですので耐震等級の数字が大きいほど=壁の量が多いほど地震に強い建物と定義されています。
じゃあやたらめったら壁を入れれば良いかというとそうではありません。
建物はバランスよく建てる必要があるからです。

そしてバランスよく建てるには許容応力度計算が必要です。

簡易な壁量計算では限度があります。

ただただ壁の量を2倍にも3倍にもした建物のは運が良いと地震で壊れない可能性もありますが、何の科学的根拠もありませんよ~。何度も言います絶対にバランスの検討が必須です。バランス考慮せずになんとなしに作った耐震等級3は何の価値もおまへん。皆さんも絶対に検討してね。できない工務店、設計者のいうことは信用できません。百歩譲って自社でできなければ外注でも構わないので計算はしましょう。