2022.10.13
お知らせ
10月も半ばにさしかかり、そろそろ肌寒くなり、体調を崩しやすい季節にもなってきました。
ところで、住環境において快適な湿度ってご存じですか?
どうしても冬は室温に目がいきがちですが、温度と同じくらい湿度も大切です。
冬の平均湿度は30%程度と言われています。室温が20℃以上あっても湿度が30%程度だとウイルスはあまり死滅しません。
ではウイルスがいなくなる湿度はどれくらいか?ずばり、室温22℃、湿度60%程度です。
しかしながら、室温を22℃に保つことはエアコンの温度調整で割となんとかなりますが、湿度60%は意外にハードルが高いです。
一般的な小型の加湿器ではあまり湿度は上がりません。大型の加湿器でバンバン加湿してやっと60%に到達します。
じゃあ大型の加湿器を導入すればいいのではないか?と思いますが、ここで難点が発生します。
皆さんのお家の窓は冬に結露していますか?アパートや古いお家の場合はアルミサッシとシングルガラスの組み合わせのなのであまり加湿をしなくても、結露を起こしてしまいます。
では、新築住宅ではどうか?新築住宅で高断熱サッシを使用しても実は湿度60%程度になると結露を起こす可能性があります。
ちなみに我が家は樹脂サッシ、樹脂アルミ複合サッシ、アルミサッシ+樹脂内窓がそれぞれありますが、結露を起こした順番は…
①樹脂アルミ複合サッシ(サッシの足元に水滴がついている)
②アルミサッシ+樹脂内窓(外側のガラスが細かい水滴がついている)
③樹脂サッシ(サッシの足元を触ってみると若干湿っている)
でした。
このことから、人間にとって快適な湿度にすると、程度の差はあれど、窓はいずれ結露を起こすということです。
新築住宅を建てて、樹脂アルミ複合サッシでも結露していないお宅は、おそらく湿度が足りていません。
人間にとって快適な環境にして、結露を起こしたくないという場合は樹脂サッシを使うべきでしょう。
しかしながら、住宅にとって大事な要素は何も結露だけではありません。
時には樹脂アルミ複合サッシを使うこともあります。それはコストが理由なのか、デザインが理由なのか…
性能が悪く結露するお家でも、価格が飛びぬけて安ければ、それはそれでよいでしょう。
性能重視の超高断熱仕様で、デザインは既製品だらけのやぼったい仕様でも、それはそれでよいのです。
大事なのはどこ重きを置くかだと思います。
そして建築は総合芸術です。
意匠だけでなく、性能などの技術面もデザインして、総合的に価値を上げていくことが大事なのだと思います。
ちなみに建築工房きらくはバランス重視です。デザインも性能も価格も全て大切にしています。
一級建築士 山田